長野の家イメージ

長野の家

両親の家です。デザイン事務所とピアノ教室を営む、夫婦2人が暮らす職住一体型の住宅です。 私たちが設計事務所を設立する以前の設計事例です。設計は家族みんなでアイディアを出しながら進めました。 両親は、東京から長野への移住のため、冬の寒さに耐えられるかが心配でした。建物の断熱性能については、地元の工務店さんに指導を頂きながら、仕様を決めました。 高性能住宅についての知識が少なかった私たちは、設計中は、もう少し仕様を落としても良いんじゃないか…と思ったりもしました。 しかし、実際に出来上がってみると、家中のどこにも温度差がない事の暮らしやすさに驚きました。 省エネルギーで快適な室内環境を、実家に帰る度に実感しています。この家をきっかけに、高気密・高断熱住宅への取り組みが始まりました。

長野県長野市
敷地面積 608.32㎡(183.64坪)
建築面積 92.74㎡(27.99坪)
延床面積 81.20㎡(24.51坪)
規模 木造2階建
施工 徳武建設株式会社
その他 建設住宅性能評価物件、OMソーラーの家
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2009年4月、長野の家の新築工事が始まりました。 この時、まだ建築士ではなかった私は、将来のために、工事の一部始終を見ておきたいと思い、お世話になった工務店を退職して長野に移り住みました。毎日朝から現場に通い、完成までの間、職人さん達と5ヶ月間を過ごしました。 さぞ足手まといだっただろうと思いますが、様々な作業を実際に手伝わせて貰いながら、各部の納まりや工事のコツ、道具のことや日々の苦労話など、たわいもない会話の中から、たくさんの事を教わりました。 この数ヶ月で、それまでに無い勉強と経験をさせて頂き、建築が以前よりもずっと身近なものになり、もっと好きになりました。

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両親が長野で土地を探し始めてから、この土地に出会うまで、1年以上かかりました。 土地を探すに当たり、父の希望は「緑に囲まれた静かな場所で、のびのびと山を眺めて暮らしたい。」というのに対し、東京生活しか経験のない母は「どんなに環境が良くても、人里離れた所では暮らせない。ある程度便利で、仕事柄、近くに子供が たくさんいるような所がいい。」 ・・・二人の希望に合致する土地なんて本当にあるのだろうか、という気持ちすら抱き始めた頃、この土地に出会うことができました。 長野駅からわりと近く、近所に小学校があります。南に向かった緩やかな傾斜地で、南側の林の間から、市街地や山並みが見えます。 本当に土地はめぐり会いなんだ!とほっとしたことを覚えています。

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設計は家族みんなでアイディアを出しながら進めました。 ああしよう!こうしよう!と、ワクワクするような案が次々と出ました。しかし、現実は予算との戦いです。見積りを何度も何度も見ながら、ここを削り、そこを諦め・・・。設計者としての経験が浅かった私は、ぜんぜん冷静になれず、年末には、宝くじを買いに走りました。だけど、本当の私の役目はそんなことではなく、両親の希望を整理して、限られた予算の中で、できる限りの工夫を凝らし、「二人にとって暮らしやすい環境」をまとめていくことだったんだと気がつきました。 今になって思います。 家づくりは上を見たらキリがありません。どの家にも必ず予算の限度があり、その枠の中で、楽しく前向きに進めていくことが大切です。 そのためには「何を優先するのか」という事を、しっかり話し合う事が重要です。
長野の家の場合、
・建物を小さくしてでも、あたたかく快適な家にする
・父の製作工房と母のピアノ教室が両立できる間取り
・景色を眺めながら入れるお風呂
この3点を軸に進めました。
注文住宅というのは、「一般的にどうか」ではなく、「そこに住む人にとってどうか」が、もっとも重要だと感じています。 多くの方々に評価されることよりも、そこに暮らす家族にとって‘良い家’を上手に作れれば、それで良いんだろうと思います。

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私たちは寒冷地での設計は経験がなかったので、温熱性能に関する部分は地元工務店の社長さんにアドバイスを頂きました。 この時、まだ「高気密・高断熱」について私たちは勉強不足だったため、社長さんが提案してくれた断熱仕様がオーバースペックのように感じました。 「見えない部分にお金をかけるなら、少しでもリビングを広くしたい」と私たちが言ったのに対し、社長さんは「性能はこれ以上、下げないほうが良い」と、明確な提示をしてくれました。 その結果、長野の家は、家中のどこにも温度差がない本当に快適な家になりました。 真冬の夜、暖房が消えているのにやんわりと暖かく、その温度はトイレもお風呂も変わらないので、なんとも快適です。 初めて長野の家で冬を過ごして以来、住宅設計は意匠だけでなく、躯体そのものの性能も重要であると痛感し、私たちの高性能住宅の勉強が始まりました。 これからは私たちが設計者としてしっかり基準を持ち、快適な住宅を設計していこうと決意しました。

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長野の家では、外壁の塗装からはじまり、フローリングのオイルフィニッシュ、造作家具の製作など様々な施工を自分たちでやってみました。 自分たちでやることで建築コストを下げることが一番の目的でしたが、施主工事にはもっと大きなメリットがあることがわかりました。 自分で作ったり仕上げた部分は愛着が湧いてきます。妙に大切にしたいと思えてきます。そして、メンテナンスをしたり、新たに手を加えることへの抵抗感がなくなるのです。 どんなに考え抜いて造っても、完成時の家は「素」の状態です。住んでいれば不便に思ったり、不足を感じるようになります。 そんなときにサッと自ら手を加えられるのは、とても便利なことです。

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先日、「月見台がほしい」と父から相談を受けました。それならいっそ自分たちで作ろうか!という話になり、全てDIYで施工しました。 海外では壁のペンキ塗りや、ウッドデッキのDIYはわりと普通に行われています。日本ではあまり馴染みがないから二の足を踏んでしまいがちですが、出来上がった時にはものすごい達成感が待っています。 こういうのも、住んでからの楽しみだと思います。これからもこの家にいろいろと手を加えていくことが、私たちの楽しみです。

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