久木の家イメージ

久木の家

昭和を代表する建築家のひとり、故・増沢洵さんが自邸である「最小限住宅」を建てたのが1952年。戦後直後の住宅難の時代でした。 その自邸は3間×3間=9坪という、とてもコンパクトな家でした。小さいながらもとても豊かな暮らしのできる家だったそうです。 久木の家の建て主さんは、ハウスメーカーに勤務されている方で、仕事として日々住宅建築に携わっている方です。 大きい事が良しとされ、新建材や既製品を多用した現代の住宅事情に疑問を抱き、行き着いた先に、増沢邸のような豊かな暮らしを体験したいと思われたそうです。 そしてオリジナルを参考にしながら、ミニマム、平面、断面、立面、構造、設備、材料等、細部にわたってじっくり検討し、出来上がった建物です。

神奈川県逗子市
敷地面積 128.80㎡(38.88坪)
建築面積 42.23㎡(12.74坪)
延床面積 74.64㎡(22.53坪)
規模 木造2階建
施工 株式会社キリガヤ
その他 設計:加藤 景(株式会社キリガヤ在籍時)
久木の家イメージ
久木の家イメージ
久木の家イメージ

建て主さんは、デザインや素材にとても造詣が深い方です。 この家は、建て主さんと一緒に、部材や材料をひとつひとつ吟味し、細かい納まりをじっくり話し合って創り上げた、思い出深い住宅です。 建て主さんのおかげで、細かいところまで考え尽くして図面を描く楽しさを覚えました。

久木の家イメージ
久木の家イメージ

1階は12.5坪、2階は10坪というコンパクトな空間ですが、大きく吹き抜けを設けることで圧迫感や狭さを感じさせません。 吹き抜けに面する開口部には既製品のサッシを使わず、木製のオリジナル建具を造作しました。障子を閉めると柔らかい光が家中に広がります。 階段の横には縦長のFIX窓があり、その窓を通して裏山の緑を眺めることができます。目線の行き着く先に行き止まりを設けないことも、空間に広がりを与える要素になっています。

久木の家イメージ
久木の家イメージ

床と天井には無垢の桐材を使用しています。桐材は皆さんご存知の通り、箪笥に使用される材料です。調湿性・脱臭性・防虫性に優れているので箪笥には最適な材料です。この家は仕上げの多くの部分に桐材を使用しているので、調湿性や脱臭性が期待できます。なにより、あまり主張しすぎない穏やかな木目がとても美しいと思います。 造作家具は、主にシナの共芯合板を使用しています。普通のシナ合板と違い、心材も全てシナなので切った小口に綺麗な縞模様が現れます。

久木の家イメージ
久木の家イメージ

この家がコンパクトなのは間取りだけではありません。実は天井高も普通の家よりグッと低くしています。この天井高も建て主さんからのご要望でした。出来上がった家は、低い天井と吹き抜けのコントラストが素晴らしく、そしてなにより全体のプロポーションが普通の天井高ではありえないほど可愛く、かっこよく仕上がりました。

久木の家イメージ 久木の家イメージ

この家には既製品がほとんどありません。建具や家具はもちろんのこと、キッチンやレンジフードもすべてオリジナルで製作しました。手作りですから作った人の技量がもろに出ます。特に大工さん、左官屋さん、家具屋さんの腕が一流でした。プロの技と言える仕事を見せていただき、すべて出来上がってクリーニングを終えた現場は‘凛’としていて、とても感動したのを覚えています。 この住宅を通して、設計のこと、材料や仕上げのことなど、建て主さんと職人さんから非常に多くのことを教わりました。

久木の家イメージ

お問い合わせ・資料請求

電話でのお問い合わせ 0467-67-4224
↑